「エルエルビーンってダサくない？」「なんかおじさんぽい」──SNSや街中でそんな声を見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。
確かに、地味な色合いや実用性重視のデザインは、今の華やかなファッションとは真逆。でも、その“ダサさ”こそが今、若者の間で「逆にイイ」と見直されているのです。
この記事では、「エルエルビーン＝ダサい」というイメージがなぜ広まったのかを解説しながら、実はファッションとしても注目されている理由、そして“ダサい”から“おしゃれ”に変える着こなしのコツまで、徹底的に掘り下げていきます。ファッションは見方次第。
あなたの「ダサい」の基準も、変わるかもしれません。
エルエルビーンはおじさんぽくてダサいの？
SNSや街でよく見かける「エルエルビーン＝おじさんぽい」「ちょっとダサい？」という印象。その理由と実態について深掘りしてみましょう。
「おじさんぽい」と言われる理由とは？
エルエルビーンが「おじさんぽい」と言われる理由は、まずそのシンプルで実用本位なデザインにあります。たとえば、無地で落ち着いたアースカラーのアウター、機能性重視のブーツ、頑丈なキャンバストートなど、一見すると“映える”要素が少なく、今の若者が好む華やかさとはやや距離があります。
さらに、これらのアイテムを日常的に愛用してきたのが、40代以上の中高年層であったことも影響しています。「昔、お父さんがよく持ってたな」「学校の先生が使ってた」などの記憶と結びつきやすく、結果的に“おじさんぽい”という印象が定着してしまったのです。
ただし、この“落ち着き”や“無骨さ”こそが、今改めて見直されているポイントでもあります。
「ダサい」というイメージが広まった背景
「エルエルビーン＝ダサい」というイメージが広まった背景には、90年代〜2000年代にかけての日本のファッションの変遷が関係しています。
当時はストリート系や渋谷系、ギャル男・ギャル文化など派手な装いが人気であり、地味で無骨なエルエルビーンはまったく異なる軸にありました。そのギャップが「オシャレと対極＝ダサい」というレッテルを生み出しました。
また、ブランド自体がアウトドア志向で機能性重視のため、ファッション性が二の次に見えてしまうのも“野暮ったい”という評価につながっています。
さらに、インフルエンサーや雑誌で取り上げられる機会が少なかったため、若者世代にとっては「ダサいおじさんのブランド」というイメージが先行してしまったのです。
「ダサい」けど、なぜか気になる存在に？
近年、その“ダサさ”がかえって魅力として再評価され始めています。レトロブームや90年代ファッション回帰、そしてノームコア（あえて普通っぽさを楽しむスタイル）の流行により、これまで“おじさんぽい”とされていたエルエルビーンが「ちょうどいい」「逆にオシャレ」と注目されているのです。
たとえば、シンプルなトートバッグをモノトーンコーデに合わせたり、ビーンブーツを細身のパンツと合わせてバランスを取ったりと、今のスタイルに取り入れることで“こなれ感”を演出することが可能になります。
結果として、「最初はダサいと思っていたけど、使ってみたら意外とアリ」という声がSNSなどでも多く見られるようになりました。
「ダサい」けどウケてる？再注目される理由
ダサいはずなのに、なぜかおしゃれ好きの間では再評価されているエルエルビーンおじさんスタイル。その理由を探っていきます。
ダサさを逆手にとった“あえて感”がウケている
現代のファッションシーンでは、完璧すぎない“抜け感”や“あえてダサいアイテムを取り入れる”というスタイルが人気を集めています。
その象徴が、まさに「エルエルビーンおじさんスタイル」。ちょっと野暮ったい、でもなぜか可愛い。
そんなテイストがファッションとして成立しているのです。ダサいとされるアイテムをあえて使うことで、センスの良さやユーモアを演出できる──これが今の若者世代に刺さっています。
また、シンプルでクセのないデザインだからこそ、他のトレンドアイテムと組み合わせやすく、コーディネートの幅も広がります。つまり、使い方次第で“ダサい”は“カッコイイ”に変わるということです。
90年代ファッション回帰とノームコアの影響
ファッション業界では数年前から「90年代リバイバル」がトレンドになっており、当時流行していたブランドやアイテムが再注目されています。
L.L.Beanもその対象のひとつで、レトロな雰囲気や“わざとらしさのない実用的なデザイン”が、今の「ノームコア」スタイルとマッチしているのです。
ノームコアとは「普通であること」を良しとするファッション傾向のことで、エルエルビーンのように飾らない、シンプルなスタイルはむしろ今どきの感性に合っているのです。
このような時代背景により、かつての“ダサい”は“ナチュラルで飾らないオシャレ”に再解釈され、若い世代のファッションにも自然と取り入れられるようになっています。
インフルエンサーや芸能人の着用がブームを後押し
ファッションの潮流に大きな影響を与えるのが、インフルエンサーや芸能人の存在です。彼らがエルエルビーンのアイテムをさりげなく日常コーデに取り入れることで、「あれ、意外とイケてるかも」と感じる人が増えています。
特にInstagramやYouTubeでは、L.L.Beanのトートバッグをメインにしたコーディネート動画や着回し術が人気となっており、それを見たフォロワーが真似することで再評価の波が広がっているのです。
ビジュアルとしても映えるアイテムが多く、スタイリング次第では“あか抜けたレトロ感”を演出できます。こうした影響力が、ブランドの新たなイメージを作り上げているのです。
ダサく見せない！エルエルビーンの正しい着こなし方
エルエルビーンは着こなし次第で“ダサい”から“こなれた”に変わるんです。具体的な方法を紹介します。
やってはいけないNGコーデとは？
エルエルビーンを使ったコーデで“ダサい”印象を強めてしまう一番の原因は、全体のバランスを無視した着こなしです。たとえば、上下ともオーバーサイズで色味も地味だと、ただの“野暮ったい人”になってしまいます。
また、エルエルビーンのアイテムだけで固めすぎると、機能性は高くてもファッション性が感じられなくなり、“本気すぎるおじさん”に見えるリスクがあります。
特に、ビーンブーツとフリース、さらにトートバッグを同時に使うなど、やりすぎ感のある組み合わせには注意が必要です。
おしゃれに見せるためには、全体のシルエットを整えることと、1〜2アイテムをアクセントとして使う“引き算コーデ”を意識することが大切です。
おしゃれに見えるシルエット＆サイズ感の選び方
エルエルビーンをスタイリッシュに着こなすためには、サイズ感とシルエットにこだわる必要があります。大きめのアウターを選ぶ際は、ボトムスを細身にしてYラインシルエットを作ることで、野暮ったさを回避できます。
逆に、トップスをジャストサイズに抑えて、ややワイドなパンツと合わせると、90年代風のリラックス感あるコーデに仕上がります。
さらに、袖や裾をロールアップするだけでもスッキリとした印象に変わるため、小さな工夫が見た目の印象を大きく左右します。
ブランドの持つ“機能性”という長所を活かしつつ、現代的なサイズ感で組み合わせることで、“おじさん臭さ”を抜いた洗練されたスタイルに変えることができます。
他ブランドと組み合わせた今風スタイル例
エルエルビーンのアイテムは、他ブランドと組み合わせることで一気に今っぽさが出ます。
たとえば、ビーンブーツにユニクロのスキニーデニムを合わせ、トップスにGUのスウェットを着るだけで、シンプルかつ洗練されたカジュアルスタイルに変身します。
さらに、キャップやサコッシュなどの小物でストリート感をプラスすれば、より都会的な印象に。ポイントは、エルエルビーンを“主役にしすぎない”こと。
トートバッグをあくまでアクセントに使ったり、フリースの上にナノユニバースのステンカラーコートを羽織ったりすると、ぐっとスタイリッシュな印象になります。
全体にメリハリをつけることで、“ダサさ”が“味”に変わるのです。
エルエルビーンは「実用性」と「機能美」のかたまり
見た目だけでなく、実用性の高さもエルエルビーンが長年愛される理由。おしゃれと機能の両立を叶える稀有なブランドです。
アウトドアブランドとしての背景と実力
L.L.Beanは1912年、アメリカ・メイン州で創業された老舗アウトドアブランドです。特にハンティングやフィッシングといったアウトドア活動向けの高性能ギアとして、多くのアウトドア愛好家に支持されてきました。
たとえば、代表作の「ビーンブーツ」は防水性に優れ、雪や雨の中でも安心して履ける設計が特徴です。さらに、分厚いキャンバス地で作られたトートバッグは、驚異的な耐久性を誇り、日常使いから旅行まで幅広く活躍します。
こうした実用性の高さは、ファッションとしての要素だけでなく、“道具としての魅力”にもつながっています。見た目の華やかさより、確かな品質と信頼性を重視する人々にとって、まさに理想的なブランドと言えるでしょう。
長年愛される理由は“ダサさ”ではなく“信頼感”
エルエルビーンが多くの人に支持されてきた背景には、“機能性に対する信頼感”があります。確かにファッションとして見ると地味で目立ちませんが、使えば使うほどその良さが実感できる──そんな実直な魅力が詰まったブランドです。
たとえば、10年以上使っても破れないトートバッグや、雪道でも滑らないビーンブーツなど、一度手にすると手放せなくなるアイテムが揃っています。
このような耐久性や実用性の高さが、リピーターを生み、世代を超えて愛されてきた理由です。つまり、“ダサい”とされるスタイルは、むしろ派手な流行を追わない“本物志向”の表れとも言えます。実用性と信頼性、それがエルエルビーンの本質です。
30代・40代・50代それぞれに合う着こなし提案
エルエルビーンの魅力は、世代を問わず取り入れやすい点にもあります。30代には、シンプルなカジュアルスタイルの中にビーンブーツを差し込むのがおすすめ。
細身のパンツと合わせることで、都会的で軽快な印象になります。40代は、フリースとスラックスで落ち着いた雰囲気を出しつつ、トートバッグでアクセントを加えるとバランスの取れたコーデが完成します。
そして50代は、マウンテンパーカーやアノラックなどで、アウトドア感を出しながらも上品な配色を意識するのがポイントです。年齢に応じた“清潔感”と“こなれ感”を意識するだけで、同じエルエルビーンでもグッと印象が変わります。
どの世代にも合う懐の深さが、このブランドの魅力です。
エルエルビーンのおしゃれアイテムランキング
実際に人気のあるアイテムを知っておけば、コーデにも取り入れやすいはず。定番から今っぽいものまで、ランキング形式でご紹介します
トートバッグ：ダサいどころか今や定番
エルエルビーンのトートバッグは、まさにブランドを象徴するアイテムです。厚手のキャンバス素材で作られており、耐久性は抜群。大容量で実用性が高いため、買い物や通勤・通学、旅行など幅広いシーンで活躍します。
デザインもシンプルで、配色バリエーションが豊富なため、コーディネートのアクセントとしても使いやすいです。一見すると地味に感じるかもしれませんが、あえてこの“素朴さ”が逆に今っぽいと感じる人も多いのが現状。
最近では刺繍やワッペンでカスタマイズして個性を出すユーザーも増えており、自分らしく持てるアイテムとして支持されています。ダサいどころか、“誰でも似合う万能バッグ”と言っても過言ではありません。
ビーンブーツ：レトロだけど機能性抜群
「ビーンブーツ」は、L.L.Beanの代名詞的存在とも言える名作です。1912年の創業時から販売されており、防水性に優れた革とラバー素材の組み合わせが特徴。
雨の日や雪道でも滑りにくく、足元をしっかり保護してくれます。デザインはレトロでクラシカルな印象ですが、それが今では逆に“ヴィンテージっぽくておしゃれ”と評価されるようになりました。
特に秋冬シーズンには、分厚い靴下やウールパンツと合わせると雰囲気が出ます。街中で履いても違和感がなく、長時間歩いても疲れにくいのも大きな魅力です。
機能性とファッション性を両立した、まさに“おじさんアイテム”の概念を覆す一足です。
マウンテンパーカー＆フリース：街でも映える
エルエルビーンのマウンテンパーカーやフリースは、見た目以上に街で活躍する優秀アイテムです。アウトドアブランドならではの防風・防寒性能はそのままに、カラーやデザインもタウンユース向けにアップデートされています。
特にフリースは、厚手で保温力が高いのに軽くて動きやすく、冬場のアウターとしても使えます。無地のインナーやデニムと合わせれば、シンプルながらも季節感を演出できる万能アウターに早変わり。
カラーバリエーションも豊富なので、自分のスタイルに合った一枚を選ぶことができます。“登山用”といった硬派なイメージが強かったエルエルビーンですが、実は街中でもしっかり映えるアイテムが揃っているのです。
まとめ
「エルエルビーンおじさん＝ダサい」と思われがちですが、その印象の裏には深い理由と時代背景がありました。実際は、機能性とファッション性のバランスが取れた魅力的なスタイル。ちょっとした着こなしの工夫で、逆に“おしゃれおじさん”に変身することも可能です。
ダサいと感じて敬遠していた方も、一度試してみれば、その快適さとカッコよさに驚くかもしれません。トレンドの一歩先を行くファッションとして、ぜひ見直してみてください。
