「レッドウィングはもう流行っていない」「履いてるとダサいって思われるかも」。そんな噂を耳にして、気になっている人もいるのではないでしょうか?かつてアメカジブームをけん引し、多くのファッション誌に掲載されていたレッドウィング。
しかし、時代の移り変わりとともに「重い」「ゴツい」「古い」といったイメージがついて回るようになってきました。
本記事では、レッドウィングがなぜ「ダサい」「流行らない」と言われるのかを丁寧に紐解き、その一方でなぜ今なお一部から熱烈に支持されているのか、さらにはダサく見せずに履きこなすためのコーディネート術まで詳しく解説します。
レッドウィングが「ダサい」と言われる理由とは?
一部の人たちの間で、レッドウィングは“ダサい”というイメージを持たれてしまっています。その背景には、時代のファッションとのズレや固定化されたイメージなど、複数の要因があります。
定番すぎて個性が出しにくい?
レッドウィングは、その名の通り“定番中の定番”として知られています。特にアイリッシュセッターやベックマンといったモデルは、ファッションに詳しくない人でも見たことがあるでしょう。
その完成されたデザインと機能性は魅力的ですが、一方で「みんな履いている」「差別化できない」と感じてしまう人もいます。個性やトレンド性を重視する層にとっては、こうした“完成されすぎた”アイテムは逆に避けられがち。ファッションで自己表現をしたい若者にとって、既視感のあるスタイルは敬遠されがちなのです。
そのため、無難で“安全牌”的な存在になってしまい、「個性がない=ダサい」というイメージに繋がることがあります。
重厚感が苦手な若者も多い
レッドウィングのブーツは頑丈な作りと、ずっしりとした重量感が特徴です。これは長年履けるタフなブーツである証でもありますが、今の若い世代にとっては「重い」「歩きづらそう」「疲れそう」といったネガティブなイメージを持たれることもあります。
特にスニーカー文化が主流の現代において、軽量かつ動きやすいシューズを好む人が増えたことで、重厚なブーツは敬遠されがち。
また、アウトドア系やストリート系など、よりスポーティで軽快なスタイルが主流になっているため、レッドウィングのような無骨で重厚なブーツは時代に合わないと思われてしまうこともあります。
カジュアル化する現代ファッションとのズレ
近年のファッションは、よりラフでカジュアルな方向へとシフトしています。ユニクロやGUに代表されるファストファッションの浸透、ナイキやアディダスなどのハイテクスニーカーの人気により、軽くて動きやすく、着こなしやすいスタイルが求められるようになりました。
こうした流れの中で、レッドウィングのような伝統的で硬派なワークブーツはやや浮いてしまう存在に。TPOやコーディネートの工夫なしに履いてしまうと、やや古臭く見えてしまう恐れがあります。
ファッションの「抜け感」や「リラックス感」がキーワードとなっている今、堅牢で武骨なデザインはトレンドとマッチしにくいと感じられているようです。
本当にレッドウィングは流行っていないのか?
世間では「レッドウィングはもう流行ってない」と言われがちですが、本当にそうでしょうか?実は一部の層からは今なお高い支持を得ています。
一部では根強い人気が続いている
確かに若者中心のストリートファッションでは見かける機会が減ったかもしれませんが、レッドウィングの人気は今でも確実に存在しています。
特に30〜50代のアメカジファンやアウトドア志向の人々にとって、レッドウィングは“信頼できるブーツ”として重宝されています。
レッドウィングは履き込むことで革の表情が変化し、持ち主だけの一足に育っていく過程も楽しめるため、“育てるブーツ”として評価されているのです。

古着ブームの再燃とともに、クラシックなアイテムへの注目度も再び高まっています。
雑誌やSNSでの露出はどうなっている?
雑誌では『Lightning』『2nd』『CLUTCH Magazine』など、ヴィンテージやアメカジを扱うメディアで今でも定期的に特集が組まれています。
SNSでも、Instagramで「#redwing」や「#レッドウィング」と検索すると、数万件以上の投稿がヒットし、さまざまなコーディネートが紹介されています。中でもアメリカやヨーロッパのスナップには、ヴィンテージデニムやミリタリーアイテムと合わせて履いている人が多く、単に“日本でだけ見かけない”ということも考えられます。
ファッションの発信源が雑誌からSNSに移行した今、情報収集の場所によって“流行っているかどうか”の認識が大きく異なるのです。
「流行=若者中心」の視点に偏っていないか?
「流行っていない」と断言する人の多くは、若者中心のトレンドに基づいて判断している傾向があります。しかし、ファッションの主役はもはや若者だけではありません。
30代以上の“大人世代”の消費力やセンスも、今では市場に大きな影響を与えています。実際、長く使える物やサステナブルなアイテムへの注目が高まっている中、レッドウィングのような“一生モノのブーツ”に価値を見出す大人が増えています。

つまり、「流行っていない=誰にも求められていない」というわけではなく、“注目している層が変わった”だけとも言えるのです。
レッドウィングが支持される本当の理由
表面的なトレンドに流されないレッドウィングの魅力。それは、履いて初めて実感できる機能美と、長く付き合える相棒のような存在感にあります。
圧倒的な耐久性と履き心地の良さ
レッドウィングは、100年以上の歴史を持つアメリカの老舗ブランド。その製法は今もなお手作業を中心に行われており、グッドイヤーウェルト製法による頑丈な作りが特徴です。
アウトソールの張り替えが可能な構造となっており、きちんとメンテナンスすれば10年以上履くことも可能。さらに、厚みのあるフルグレインレザーを使っているため、履き始めこそ固さを感じますが、履き込むほどに自分の足に馴染み、履き心地がどんどん向上します。

この“育てる過程”こそ、レッドウィングならではの醍醐味です。
エイジングによる「育てる楽しみ」
革靴の魅力のひとつは、なんといっても経年変化=エイジングです。新品の状態は美しいツヤと均一な質感がありますが、時間と共に履く人の癖が革に刻まれ、色味やツヤ、しわの入り方などが変化していきます。
これにより、世界に一つだけの自分専用のブーツに育っていくのです。特にレッドウィングは、オイルドレザーを採用しているモデルが多く、その変化が分かりやすく美しいと評判です。
ケアをしながら少しずつ育てていく喜びは、既製品にはない“愛着”を生み出してくれます。
経年変化が生む唯一無二の魅力
時間をかけてエイジングされたレッドウィングには、その人の生き方やスタイルが刻まれます。履きジワや傷、色ムラもすべてが“味”となり、購入当初よりもはるかに魅力的な表情を見せるようになります。
量産型のスニーカーやトレンド重視のファッションアイテムでは味わえない、唯一無二の個性がここにあります。ファッションにおいて“人と違う魅力”を求めるなら、レッドウィングほどふさわしいブーツは他にありません。
ダサく見せないレッドウィングの着こなし術
「レッドウィングはダサい」と言われる一因は、履きこなし方にあるとも言えます。スタイリングを工夫すれば、むしろおしゃれで洗練された印象に変えることが可能です。
サイズ感とパンツの丈を意識する
レッドウィングを履きこなす上で、最も大事なのがパンツとのバランスです。特に注意したいのはパンツの丈。裾が長すぎてブーツの上にダボついてしまうと、全体が重く見え、野暮ったい印象になってしまいます。
スッキリと見せるには、くるぶしが少し見えるくらいの丈にするか、ロールアップして足元をしっかり見せるのがコツ。細身のパンツよりも、やや太めのテーパードシルエットのパンツと合わせると、ブーツのボリューム感と自然に調和しやすくなります。
また、ソックスの色や柄をチラ見せしてアクセントにすることで、足元の印象が軽やかになり、野暮ったさを回避できます。
全体のスタイリングをヴィンテージに寄せる
レッドウィングは、やはりアメカジやワーク系のスタイリングとの相性が抜群です。ネルシャツやデニムジャケット、チノパン、ワークパンツといったアイテムと合わせることで、統一感のあるスタイルが完成します。
とくに1950〜70年代のアメリカンヴィンテージスタイルを意識したコーディネートは、レッドウィングの魅力を最大限に引き出してくれます。全体を“土臭い”方向にしすぎないよう、時計や眼鏡などの小物で少し上品さを足すとバランスが取れ、現代的なスタイルに仕上がります。

古着を取り入れる場合も、サイズ感や色合わせにこだわることで“オシャレな大人のアメカジ”が完成します。
現代風ミックスで逆に“映える”コーデに
一方で、あえてトレンドアイテムとミックスさせることで、レッドウィングを逆に新鮮に見せることも可能です。
たとえば、モード系のブラックコーデにレッドウィングのベックマンを合わせたり、オーバーサイズのトップスやワイドパンツと組み合わせることで、ブーツのクラシカルな印象が程よいアクセントになります。
また、スポーツMIXスタイルやアウトドアテイストに取り入れて、カジュアルと無骨さのバランスをとる着こなしもおすすめ。時代に逆行しているようで実は“計算された外し”となるため、ファッション上級者からも高評価を受けるスタイルになります。
まとめ
「レッドウィングはダサい」「流行っていない」といった声は、表面的なトレンドだけを見て判断された一面に過ぎません。
確かに若者中心のファッションシーンでは軽やかなスニーカーが主流ですが、レッドウィングにはそれらにはない“履く人とともに育つ魅力”が詰まっています。
エイジングによって唯一無二のブーツに成長する喜びや、丁寧なメンテナンスによって何年も履き続けられる品質の高さは、まさに“大人の男の相棒”と呼べる存在です。
着こなしの工夫を少し取り入れるだけで、決してダサくはならず、むしろ存在感のあるおしゃれなアイテムに変わります。流行に左右されない本物のブーツ、それがレッドウィングです。