ネジやボルトを外そうとしたとき、「あれ?どっちに回せば緩むんだっけ?」と手が止まった経験はありませんか?
慣れた作業でも、左右の判断を間違えるとネジを傷めたり、作業時間が余計にかかってしまうことも。特に逆ネジや固着したネジが相手だと、より慎重な対応が求められます。
この記事では、ネジやボルトの緩む方向を確実に見分ける方法から、特殊なケースや固くて回らないときの対処法まで、実践的に解説していきます。
この記事でわかること
ネジやボルトの基本的な緩む方向と理由
逆ネジの見分け方と使われる場面
現場で迷わないための覚え方とコツ
固くて緩まないネジの安全な対処法

DIY初心者の方はもちろん、日常的に工具を使う方にも役立つ内容をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
ネジやボルトが「緩む方向」は基本がある
ネジやボルトを扱うとき、「どっちに回せば緩むの?」と迷うことはありませんか?作業に慣れていない方はもちろん、DIYやメンテナンスをする人でも、特殊な構造を前にして混乱することがあります。
しかし実は、ネジやボルトには「緩む方向」に明確な基本ルールがあります。この章では、その原則と例外について、わかりやすく解説していきます。
なぜネジには「緩む方向」があるのか
ネジやボルトが特定の方向で締まり、逆方向で緩む仕組みには、物理的な理由があります。多くの場合、ネジは時計回り(右回し)で締まり、反時計回り(左回し)で緩むように設計されています。
これは「右利き」の作業者が多いことも影響しています。右手で工具を回す際に自然な動作が「右回し」だからです。また、エネルギーの伝達やトルク(ねじり力)のかかり方から見ても、右回し締めの方が合理的とされています。
機械設計の観点からも、右ねじ(右回し締め)は標準的な構造です。あらゆる機械、車、自転車、家庭用品など、ほとんどのネジはこの規格に準拠しています。
一般的なネジ・ボルトの緩め方:右ネジとは?
「右ネジ」とは、時計回りで締まり、反時計回りで緩むネジのこと。世の中のネジの約90%以上がこの右ネジに該当します。以下のようなものが該当例です
| 用途 | 締め方向(右ネジ) | 備考 |
|---|---|---|
| 木ネジ | 時計回り | DIYで頻繁に使用 |
| 六角ボルト | 時計回り | 工具で締める一般的なボルト |
| ステンレスビス | 時計回り | 家電・家具などに使用 |
このように、ほとんどの場面では「右回し=締める」「左回し=緩める」と覚えておけば間違いありません。
左ネジ(逆ネジ)の存在と使われる場面
ただし、すべてが右ネジというわけではありません。逆ネジ(左ネジ)と呼ばれる例外も存在します。これは時計回りで緩み、反時計回りで締まる特殊なネジです。
逆ネジは、以下のような場所で使われます。
- 自転車の左側のペダル
- 車の一部のホイールナット(特に大型車)
- ガスボンベ接続部(安全性の理由から)
なぜこのような逆ネジが必要かというと、「使用中に自然と緩まないようにする」ためです。たとえば、自転車のペダルは常に同じ方向に力がかかるため、普通のネジだと使っているうちに緩んでしまいます。
それを防ぐために、あえて逆向きのねじり力が働く構造が採用されています。
緩む方向の見分け方と覚え方
ネジやボルトの緩む方向には基本的なルールがあるとはいえ、実際の作業現場では「あれ?これ、どっちだったっけ?」と迷う場面も多いものです。特に上下逆さまの場所や、左右がはっきりしない構造だと混乱しがち。

そんなときに役立つ「見分け方」と「覚え方」、さらに間違えないためのちょっとしたコツをご紹介します。
覚えやすい「右ねじの法則」とは
ネジの回転方向を覚えるために便利なのが「右ねじの法則」です。これは物理でも使われる考え方で、右手の親指をネジの進む方向に向けたとき、他の4本の指が巻く方向がネジの回転方向を表しています。
つまり、右手の法則を使えば以下のように覚えられます。
- 親指が進行方向(ネジが締まる方向)
- 指の巻き方向=右回り(時計回り)
この法則は、ドライバーでネジを締めるときにも応用できます。「進ませたいなら右回し、戻したいなら左回し」と覚えておくと混乱しません。
【ワンポイント】
「締めるは右、緩めるは左」という語呂で覚えるのも有効です。音で覚えると手が自然に動くようになります。
実際の作業で混乱しないためのコツ
ネジの向きに迷ったとき、手元の工具や作業環境にちょっとした工夫をするとミスを防げます。
具体的なコツ3つ:
-
目線と視点の確認
ネジを見るときの角度が逆になると混乱しやすいので、ネジの「頭側」から見るようにしましょう。たとえば、上から見て時計回りなら締まり、左回りなら緩みます。 -
工具の動きで判断
ラチェットレンチやインパクトドライバーには「回転方向の切り替え」があります。手元のスイッチ表示(→ or ←)を確認するだけでも安心。 -
マーキングしておく
迷いやすい箇所には、マジックやテープで「締める→」などの表示をつけておくと再作業時もスムーズです。
また、業務や長期メンテナンスでは作業記録に「逆ネジ注意」など明記しておくと、チーム作業でもミスを防げます。
左右がわかりづらい構造の場合のチェックポイント
一部の機械や車両では、構造上左右が見分けにくく、逆ネジなのかどうか判断しづらいこともあります。そんなときは以下の方法で確認しましょう。
| チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 対称部品の比較 | 右側の部品と左側を見比べて、ネジ山の向きが逆か確認する |
| ネジ山の角度 | ネジ山が左上から右下に傾いているなら右ネジ、右上から左下なら逆ネジ |
| メーカーの取扱説明書 | 取説やサービスマニュアルには必ず記載がある(特に車やバイク) |
このように、現場での「なんとなく」ではなく、構造的・視覚的な判断ができると、作業の精度と安全性が大きく向上します。
固くて緩まないネジ・ボルトの対処法
「緩む方向はわかったのに、ネジがびくともしない…」そんな経験は誰にでもあるはずです。古いネジや屋外で使われたボルトは、サビや汚れで固着していることがあります。
無理に力をかけると、ネジ頭がなめたり、工具が滑ってケガをする恐れも。本章では、安全かつ確実に「固くて緩まないネジ・ボルト」を外すための具体的なテクニックをご紹介します。
固着しているときの注意点とNG行為
ネジやボルトが固着しているとき、焦って力任せに回すのは危険です。以下のようなNG行為は避けましょう。
| NG行為 | 理由 |
|---|---|
| 強く叩く | ネジ穴や周辺部品を破損するおそれがある |
| 長いレンチで無理やり回す | トルクがかかりすぎてネジが折れる |
| ネジ頭を潰すほど押し付ける | ネジ山が崩れ、さらに外れなくなる |
こうした事態を防ぐには、「回す前の準備」が鍵です。ネジやボルトの状態を観察し、サビ・異物・周囲の損傷がないかを確認しましょう。
潤滑剤やインパクトドライバーの活用法
固着ネジの王道対策は「潤滑+衝撃」。この2つを組み合わせることで、驚くほど簡単に回ることもあります。
効果的な潤滑剤の使い方:
- おすすめ潤滑剤:KURE 5-56、ラスペネなどの浸透タイプ
- 使用手順:
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-
ネジと母材の接触部にスプレー
-
数分〜10分ほど放置して浸透させる
-
何度か前後に揺らすように回す
-
インパクトドライバーの併用:
- 手動インパクトドライバーは、叩く力+回転力で固着を解除
- 電動タイプは、トルク調整を活用しながら慎重に操作
- 特に錆びたネジには「瞬間的な衝撃」が効果的
潤滑剤を吹いた後にインパクトを使うと、ネジ山が動きやすくなり、滑らかに緩むケースが多いです。
それでもダメなときの最終手段(専門業者など)
上記の方法を試しても緩まない場合は、「これ以上は素人作業で傷めるリスクが高い」と判断すべきです。以下のような最終手段も検討しましょう。
| 方法 | 内容・注意点 |
|---|---|
| ネジ外し専用工具を使用 | エキストラクターやバイスプライヤーなど |
| ネジ山をドリルで削る | 最後の手段。部品ごと交換前提 |
| 専門業者に依頼する | 車・バイク・設備機器など高額部品はプロに任せるのが安全 |
また、ホームセンターの工具売場では「固着ネジ専用セット」が販売されていることもあります。1,000〜3,000円程度で購入できるため、DIY派は1つ持っておくと安心です。
まとめ
ネジやボルトの「緩む方向」には基本ルールがあり、ほとんどのケースで反時計回り(左回し)=緩むと覚えておけば問題ありません。ただし、例外として「逆ネジ(左ネジ)」も存在し、自転車のペダルやガス機器など安全性が求められる場面で使われます。
作業中に迷った場合は、「右ねじの法則」や工具の回転表示、ネジ山の向きを確認すると確実です。加えて、ネジが固着しているときは潤滑剤+衝撃が効果的で、無理に回さず準備が重要になります。
もしどうしても外れない場合は、専用工具を使うか専門業者に依頼することで、部品を壊すリスクを避けられます。

「どっちに回すんだっけ?」という小さな疑問を放置せず、正しい知識と対処法を身につけて、安全・確実な作業を目指しましょう。

